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Easy Running蒼穹の覇者 第二部:天下動乱

永禄年間から天正年間。織田信長の天下布武が本格化する中、桐生信秋(二十歳〜四十二歳)は商業帝国をさらに拡大し、情報と経済で独立を守り抜く。美濃攻略、信長上洛、長篠の戦い、そして本能寺の変。激動の二十年を、若き風雲児はどう生き抜くのか。

序章:新たな時代

永禄四年(1561年)、春。

犬山城の評定の間に、桐生家の重臣たちが集まっていた。

「殿、織田様が美濃攻めを本格化させるとの情報です」

村井景行が報告した。

桐生信秋は、今や二十一歳。六年前に家督を継いで以来、小勢力だった桐生家を東海有数の商業拠点に変えた若き当主だ。

「斎藤家の状況は?」

「混乱しております。道三公亡き後、義龍公も病で倒れ、今は龍興公が継いでおりますが」

「幼君か」信秋は地図を見つめた。「斎藤家の命運は尽きたな」

源蔵が心配そうに言った。

「若殿、我が家は斎藤家とも密約を結んでおります。信長様が美濃を取れば、我が家の立場は」

「変わる」信秋は頷いた。「大きく変わる。だが、それは想定内だ」

信秋は立ち上がった。

「諸君、時代は動いている。織田信長は、もはや尾張の一大名ではない。天下を狙う男だ」

「我が家は、どう対応すべきでしょうか」

「信長殿を支援する」信秋は断言した。「全力で」

重臣たちは顔を見合わせた。

「殿、それは危険では。信長様が強大になりすぎれば、我が家の独立が」

「だから、支援するのだ」信秋は微笑んだ。「信長殿が我々を必要としている今こそ、将来の保証を得る好機だ」

信秋は窓の外を見た。春の陽光が、犬山の町を照らしている。

「これから二十年、日本は大きく変わる。その変化を乗り切れば、我が家は永遠に独立を保てる」

「若殿......」

「準備を始めよ。新しい時代が来る」

第一章:美濃攻略

永禄七年(1564年)、夏。

織田信長の美濃攻めは、四年目を迎えていた。

「殿、信長様が稲葉山城を包囲されました」

村井が報告に来た。

「ついにか」信秋は立ち上がった。「斎藤龍興の状況は?」

「城内は混乱しております。重臣の竹中半兵衛が謀反を起こし、一時城を占拠したこともあり、統制が取れておりません」

信秋は地図を見つめた。稲葉山城は、木曽川沿いの要衝。ここが落ちれば、美濃は織田のものになる。

「虎吉を呼べ」

山県虎吉が現れた。今や桐生家の軍奉行として、三千の兵を統率している。

「殿、ご命令を」

「美濃に援軍を送る。千の兵を率いて、信長様を支援せよ」

「承知しました」

虎吉が去ると、源蔵が言った。

「若殿、斎藤家とは密約がございます。攻めるのは」

「密約は、もう意味がない」信秋は冷静に言った。「斎藤家は滅ぶ。ならば、我々は勝つ側につく」

「しかし」

「源蔵、戦国の世で生き残るには、義理だけでは不十分だ。現実を見なければならない」

信秋は書状を取り出した。

「これは、信長殿への援軍の申し出だ。同時に、改めて我が家の独立を保証する約定を求める」

「信長様は、応じられるでしょうか」

「応じる」信秋は自信を持って言った。「今、信長殿には味方が必要だ。その時にこそ、交渉は有利に進む」

数日後、信長からの返答が届いた。

「桐生殿の援軍、深く感謝する。美濃攻略の暁には、そなたの独立を改めて保証しよう。また、美濃の一部、石高二万石を与える」

信秋は満足そうに笑った。

「見ろ、源蔵。これが交渉だ」

桐生軍千は、虎吉に率いられて美濃に向かった。稲葉山城の包囲に加わり、信長軍を支援する。

だが、城は容易には落ちなかった。

「殿、稲葉山城は難攻不落です」

虎吉が報告に来た。

「このまま包囲を続けるしかありませんか」

「いや」信秋は首を横に振った。「別の方法がある」

「と、申されますと」

「城内の切り崩しだ」

信秋は斎藤家の重臣たちの名簿を広げた。

「この中に、信長殿に寝返る者がいないか探る」

「内通者を、ですか」

「そうだ。金で買える者、将来を不安視している者。必ずいる」

信秋の密偵たちが動き出した。斎藤家の重臣たちに接触し、内通を持ちかける。

一ヶ月後、成果が上がった。

「殿、斎藤家の西美濃三人衆が、信長様への降伏を検討しております」

西美濃三人衆。稲葉一鉄、安藤守就、氏家卜全。斎藤家の重鎮たちだ。

「理由は?」

「龍興公への不信です。若君は政治を顧みず、遊興に耽っているとか」

「絶好の機会だ」

信秋は信長に情報を伝え、同時に三人衆との交渉を仲介した。

「三人衆殿、信長様は寛大な方です。降伏すれば、領地は安堵される」

信秋の説得は功を奏した。

永禄十年(1567年)、秋。

西美濃三人衆が信長に降伏。これにより、稲葉山城は孤立した。

信長は総攻撃を命じた。

「全軍、攻めかかれ!」

城は陥落し、斎藤龍興は逃亡した。

美濃は、完全に織田のものになった。

信長は稲葉山城に入り、城の名を「岐阜」と改めた。そして、「天下布武」の印を用い始めた。

「桐生殿、そなたの功は大きい」

信長は信秋を岐阜城に招いた。

「約束通り、美濃の一部、石高二万石を与える。そして、そなたの独立を改めて保証する」

「ありがたき幸せです」

信長は笑った。

「桐生殿、そなたは稀有な男だ。武力ではなく、知略と経済で生き延びる。わしは、そういう男を尊敬する」

「恐れ入ります」

「これから、わしは京へ向かう。天下を取る。そなたも、ついてきてくれるか」

信秋は深く頭を下げた。

「喜んで」

だが、心の中では、計算していた。信長が天下を取る過程で、我が家はどう立ち回るべきか。

第二章:上洛

永禄十一年(1568年)、秋。

織田信長は、ついに京への進軍を開始した。

大義名分は、足利義昭を将軍に擁立すること。前将軍・義輝が三好三人衆に殺されて以来、京は混乱していた。

「殿、信長様が上洛軍を編成されました」

村井が報告した。

「規模は?」

「五万。そして、我が家にも従軍の要請が」

信秋は考えた。京への上洛は、歴史的な事件になる。ここに参加すれば、桐生家の名声はさらに高まる。

「従軍する。千五百の兵を出せ」

「承知しました」

だが、信秋には別の目的もあった。

「河野、京の商人たちと接触する準備を」

「京の商人、ですか」

「そうだ。京は文化の中心だが、同時に商業の要所でもある。ここに我が家のネットワークを広げる」

信秋の野望は、軍事的な功績だけではなかった。京での商業拠点を確立し、全国ネットワークを完成させること。

九月、織田軍は進軍を開始した。

途中、近江の浅井長政と同盟を結び、さらに南近江の六角氏を破って京へ向かう。

桐生軍は、織田軍の一翼を担った。虎吉が指揮を取り、信秋自身も従軍した。

「若殿、ご自身が戦場に出られるのは」

源蔵が心配したが、信秋は首を横に振った。

「今回は出る。京への入りは、我が家にとって重要な機会だ」

十月、織田軍は京に到着した。

三好三人衆は抵抗したが、圧倒的な兵力の前に敗走。信長は無血で京を制圧した。

そして、足利義昭を第十五代将軍に擁立した。

「これで、わしは将軍の後見人だ」

信長は満足そうに笑った。

京に入った信秋は、すぐに商人たちとの接触を始めた。

「桐生殿、お初にお目にかかります」

京の豪商、茶屋四郎次郎が信秋を訪ねてきた。

「茶屋殿、お忙しいところ恐縮です」

「いえいえ。桐生殿の噂は、京でも聞いております。東海随一の商業拠点を築かれたとか」

「お恥ずかしい限りです」

二人は茶室で対談した。

「茶屋殿、率直に申し上げます」

「どうぞ」

「我が家と京の商人が、提携できないでしょうか」

茶屋は目を細めた。

「どのような提携を?」

「我が家のネットワークを使って、京の品物を全国に流通させる。織物、陶器、書物。京の文化を、全国に広める」

「それは......面白い」

茶屋は考え込んだ。

「だが、京の商人は保守的です。新参者との提携は」

「では、実績を作りましょう」

信秋は地図を広げた。

「まず、試験的に我が犬山と京を結ぶ定期便を作る。毎月、確実に品物を運ぶ。その効果を見ていただいてから、本格的な提携を」

茶屋は感心したように頷いた。

「桐生殿、そなたは若いが、商才がある。良かろう、試してみましょう」

こうして、桐生家と京商人との提携が始まった。

一方、信長は京で様々な改革を断行した。

関所の撤廃、座の特権の制限、楽市楽座の推進。これらの改革は、既得権益を持つ者たちの反発を招いた。

「信長殿のやり方は、急進的すぎる」

「古い秩序を破壊するばかりで」

不満の声が高まっていた。

信秋は、これを敏感に察知した。

「殿、京の公家や寺社が、信長様に不満を持ち始めております」

村井が報告した。

「当然だろう。信長殿は、彼らの特権を奪っているのだから」

「我が家は、どう対応すべきでしょうか」

信秋は考えた。

「信長殿を支持する。だが、同時に公家や寺社とも良好な関係を保つ」

「両方、ですか」

「そうだ。我々は商人でもある。あらゆる勢力と取引する必要がある」

信秋は京に留まり、公家や寺社にも寄進を行った。金銭的な支援を惜しまず、良好な関係を築く。

「桐生殿は、信長殿の家臣でありながら、我々にも配慮してくださる」

公家たちは信秋を評価した。

こうして、信秋は京でも独自の地位を築いていった。

第三章:包囲網

元亀元年(1570年)、春。

信長の急速な拡大は、周辺勢力の警戒を招いた。

「殿、不穏な情報です」

村井が緊急の報告に来た。

「何だ」

「朝倉義景、浅井長政、本願寺顕如、武田信玄。これらの勢力が、信長様を包囲する動きを見せております」

信秋は立ち上がった。

「信長包囲網か」

歴史的な危機が訪れようとしていた。

「信長様の状況は?」

「厳しいです。四方を敵に囲まれ、兵力も分散せざるを得ません」

信秋は地図を広げた。朝倉、浅井、本願寺、武田。すべて強大な勢力だ。

「我が家は、どうすべきか」

重臣たちが集まった。

「殿、この状況は危険です。信長様につけば、我が家も包囲網の標的になります」

河野が心配そうに言った。

「だが、信長殿を見捨てれば、後で報復を受ける」

源蔵が反論した。

信秋は黙って地図を見つめていた。

「若殿、ご決断を」

「......信長殿を支援する」

信秋は静かに言った。

「だが、全面的にではない。我が家の兵力は温存する。その代わり、情報と物資で支援する」

「情報と物資、ですか」

「そうだ。敵の動きを探り、信長殿に伝える。そして、食料や武器を供給する」

信秋の策は、直接的な軍事支援を避けつつ、信長への支援を続けるというものだった。

「虎吉、我が軍は犬山で待機だ。ただし、いつでも出陣できるように準備しておけ」

「承知しました」

「村井、密偵を総動員しろ。朝倉、浅井、本願寺、武田。すべての動きを監視する」

「御意」

信秋の情報網が動き出した。

四月、朝倉義景が越前から出陣。信長はこれを迎え撃つため、北近江へ向かった。

だが、ここで予想外の事態が起きた。

同盟者だった浅井長政が、突然信長を裏切ったのだ。

「殿、一大事です!」

村井が駆け込んできた。

「浅井長政が、信長様を裏切りました!」

「何だと」

信秋は驚愕した。浅井は信長の妹・お市を妻に迎えた同盟者のはずだ。

「理由は?」

「朝倉家は、浅井家の旧恩ある盟友。その朝倉を攻める信長様を、浅井殿は許せなかったようです」

「義理か......」

信秋は苦々しく思った。戦国の世で、義理のために実を捨てるとは。

「信長様の状況は?」

「絶体絶命です。前に朝倉、後ろに浅井。挟み撃ちの状態です」

信秋は即座に決断した。

「全軍出陣だ!」

「若殿!」

「信長殿を救う。今ここで信長殿が倒れれば、すべてが終わる」

桐生軍三千が、緊急出陣した。虎吉が指揮を取り、北近江へ急行する。

同時に、松平元康(すでに徳川家康と改名していた)も三河から援軍を送った。

「信長殿、お待たせした!」

家康と信秋の援軍が到着すると、信長は辛くも包囲を脱した。

「桐生、家康、よくぞ来てくれた」

信長は疲労の色を隠せなかったが、感謝の言葉を述べた。

「これで、何とか撤退できる」

織田・徳川・桐生の連合軍は、整然と退却した。朝倉・浅井軍は追撃したが、決定的な打撃は与えられなかった。

六月、姉川の戦い。

信長は、朝倉・浅井連合軍と姉川で激突した。

桐生軍も参戦し、激しい戦いとなった。

「殿、敵の左翼が崩れております!」

虎吉が報告してきた。桐生軍の鉄砲隊が、浅井軍に大きな損害を与えていた。

「よし、そのまま押せ!」

戦いは、織田側の勝利で終わった。だが、朝倉・浅井の両家は健在。戦いは長期化することが明らかになった。

戦後、岐阜城で軍議が開かれた。

「桐生殿、そなたの援軍がなければ、わしは死んでいた」

信長は深く感謝の意を表した。

「いえ、当然のことを」

「いや、当然ではない」信長は真剣な顔をした。「多くの者が、わしの危機を見て見ぬふりをした。だが、そなたと家康は駆けつけてくれた」

信長は立ち上がった。

「桐生殿、改めて約束する。わしが天下を取った暁には、そなたの独立を永久に保証する。そして、自治権を与える」

「ありがたき幸せです」

だが、戦いはまだ続く。本願寺が蜂起し、石山戦争が始まった。武田信玄も、再び西上の構えを見せていた。

信長包囲網は、これからが本番だった。

第四章:武田の脅威

元亀三年(1572年)、秋。

「殿、武田信玄が動きました!」

村井が緊急の報告に来た。

「ついにか」

信秋は立ち上がった。甲斐の虎・武田信玄。戦国最強と謳われる武将が、ついに信長討伐に動いたのだ。

「規模は?」

「三万。目標は京都。途中、徳川領を蹂躙しながら進軍する模様です」

信秋は地図を見つめた。武田軍が西上すれば、徳川家康の三河・遠江は壊滅する。そして、織田領にも侵攻してくる。

「家康殿の状況は?」

「必死に防戦しておりますが、武田の騎馬軍団は強力です。時間の問題かと」

信秋は決断した。

「信長殿に援軍を要請する。そして、我が軍も出陣だ」

「殿、武田と戦うのですか?」

河野が驚いた。

「戦わねばならない」信秋は言った。「家康殿が倒れれば、次は我々だ」

桐生軍二千が出陣した。だが、信秋には別の策もあった。

「村井、武田家の内情を探れ。何か弱点はないか」

「承知しました」

密偵たちが動き出した。

数週間後、重要な情報が入ってきた。

「殿、武田信玄公が病を患っているとの情報です」

「病?」

「はい。持病が悪化し、進軍に支障が出ているとか」

信秋の目が輝いた。

「その情報、確かか」

「複数の情報源から同じ話が。信頼できます」

「ならば、この情報を広める」

「広める、ですか」

「そうだ。武田軍の士気を下げるために」

信秋は巧妙な情報戦を展開した。

「武田信玄は病で倒れた」「もう長くない」といった噂を、各地に流す。真偽不明の情報が、武田軍の周辺に広まった。

同時に、徳川軍への物資支援を強化した。

「家康殿、食料と弾薬を送ります」

「桐生殿、感謝する」

家康は浜松城に籠城し、武田軍を迎え撃った。

だが、三方ヶ原の戦いで、徳川軍は惨敗した。

「殿、家康殿が大敗されました!」

「何だと」

信秋は驚愕した。家康が負けるとは。

「家康殿の状況は?」

「命からがら浜松城に逃げ戻られました。だが、兵力の大半を失い、士気も地に堕ちております」

「まずい......」

このままでは、家康は滅ぶ。そうなれば、東海の均衡は完全に崩れる。

信秋は即座に行動した。

「家康殿に使者を送れ。我が軍の半分、千を派遣すると」

「殿、それでは我が家の防備が」

「構わない」信秋は言った。「家康殿が倒れれば、意味がない」

桐生軍千が、浜松へ急行した。

だが、戦況を変えたのは、別の要因だった。

元亀四年(1573年)四月。

武田信玄が、陣中で死去した。

「殿、信玄公が亡くなられました!」

村井が興奮気味に報告してきた。

「本当か」

「はい。病が悪化し、帰国の途中で」

信秋は深く息を吐いた。

「天が、我々に味方した」

信玄の死により、武田軍は撤退した。京への進軍は、中止となった。

信長包囲網は、ここに崩壊し始めた。

浜松城で、信秋は家康と会談した。

「桐生殿、そなたの援軍に救われた」

家康は深く頭を下げた。あの誇り高い家康が、頭を下げる。それほどの危機だったのだ。

「いえ、信玄公の死が決め手でした」

「だが、そなたが支援してくれなければ、わしは浜松を捨てて逃げていたかもしれぬ」

家康は真剣な顔をした。

「桐生殿、改めて誓う。わしと桐生家は、永久の盟友だ」

「私も誓います」

二人は固く手を握り合った。

この絆が、後の歴史を大きく動かすことになる。

第五章:商業帝国

天正元年(1573年)、夏。

武田信玄の死により、情勢は一変した。信長包囲網は崩壊し、信長は再び攻勢に転じた。

だが、信秋の関心は別のところにあった。

「諸君、今こそ我が家の商業ネットワークを完成させる時だ」

評定の間で、信秋は重臣たちに宣言した。

「我々は、日本全国に拠点を持つ。堺、博多、越後、そして京。これらを結ぶ物流網を、完全に整備する」

信秋はこの数年、着実に商業拠点を増やしてきた。各地の有力商人と提携し、桐生家の商品を流通させる仕組みを作っていた。

「河野、現在の商業収入は?」

「年間で金五千貫を超えております」

重臣たちは驚いた。これは、石高で言えば十万石に相当する収入だ。

「素晴らしい。だが、これでもまだ不十分だ」

信秋は新しい地図を広げた。それは、日本全国の街道と港が詳細に描かれた地図だった。

「見てくれ。我が家のネットワークは、まだ西日本に偏っている。東北、関東にも拡大する必要がある」

「殿、東北は遠すぎます。リスクも大きい」

「だからこそ、価値がある」

信秋は立ち上がった。

「東北には、まだ手つかずの市場がある。金山もある。ここを押さえれば、我が家の商業帝国は完成する」

信秋の野望は、壮大だった。

まず、仙台の伊達家と接触した。

「伊達殿、我が家と商業提携を結びませんか」

使者を通じて提案する。伊達輝宗は、若き信秋の野心に興味を持った。

「桐生家か。東海の商人大名と聞いている。良かろう、話を聞こう」

提携が成立し、犬山と仙台を結ぶ交易路が開かれた。

次に、佐渡の金山に目をつけた。

「村井、佐渡の金山を調査しろ」

「佐渡ですか。あそこは上杉家の領地ですが」

「上杉謙信公とも、交渉する」

上杉謙信は、義の武将として知られていた。だが、金には困っていた。越後の国力を維持するには、資金が必要だったのだ。

「謙信公、我が家が佐渡の金を買い取りたい」

「ほう、桐生か」

謙信は信秋の提案に興味を示した。

「金を売って、我々に何の利が?」

「資金です。謙信公が領国を富ませるための資金を提供します」

信秋は、具体的な数字を示した。

「年間で金千貫。これを保証します」

謙信は考えた。千貫あれば、軍備の増強も、民政の改善もできる。

「良かろう。だが、条件がある」

「お聞きします」

「金の採掘権は、上杉家のままだ。そなたは、ただ買い取るだけ」

「承知しました」

こうして、桐生家は佐渡の金を独占的に買い取る権利を得た。

この金は、全国の市場で高値で取引された。桐生家の利益は、さらに増大した。

「殿、今年の商業収入は、金八千貫に達する見込みです」

河野が興奮気味に報告した。

「我が家の総収入は、石高換算で二十万石相当になります」

信秋は満足そうに頷いた。

「よくやった。だが、気を抜くな。商業は常に変化する。油断すれば、すぐに衰退する」

信秋は、商業帝国を維持するための施策も打った。

街道の整備を続け、宿場を充実させた。商人たちが安全に旅できるよう、治安維持にも力を入れた。

「我が領地は、日本一安全な交易路だ」

商人たちの間で、そう評判になった。

さらに、信秋は保険制度まで作った。

「商人が盗賊に襲われた場合、我が家が損害の一部を補償する」

これは画期的な制度だった。リスクが減れば、商人たちはより積極的に取引できる。

「桐生殿の領地を通れば、安心だ」

商人たちは、こぞって犬山を経由するようになった。

犬山の町は、空前の繁栄を見せた。人口は二万を超え、東海随一の商業都市になった。

だが、成功は新たな問題も生んだ。

第六章:嫉妬と対立

天正二年(1574年)、冬。

「殿、問題が発生しました」

村井が困った顔で報告に来た。

「何だ」

「他の大名たちが、我が家の商業を妨害し始めました」

「妨害?」

「はい。我が家の商人が通行する際、不当に高い通行税を要求したり、難癖をつけて商品を没収したり」

信秋は眉をひそめた。

「どこの大名だ」

「主に、美濃と尾張の間の小大名たちです。我が家の繁栄を妬んでいるようで」

信秋は考えた。これは予想していたことだ。桐生家が豊かになれば、周辺の大名は妬む。

「信長殿に相談する」

数日後、信秋は岐阜城で信長と会談した。

「信長様、我が家の商人が妨害を受けております」

「聞いている」信長は頷いた。「だが、桐生殿、それは仕方あるまい」

「と、申されますと」

「そなたの家は、あまりに豊かすぎる」信長は率直に言った。「石高は七万石程度なのに、実質的な収入は二十万石相当。これでは、他の大名が嫉妬するのも無理はない」

「......」

「だが、心配するな」信長は笑った。「わしは、そなたの味方だ」

信長は命令を出した。

「織田領内での桐生家の商人への妨害を禁ずる。違反した者は、厳罰に処す」

これにより、織田領内での妨害は止んだ。

だが、織田領外では続いた。

「殿、根本的な解決が必要かと」

源蔵が言った。

「そうだな」信秋は考えた。「ならば、他の大名にも利益を与えよう」

「利益、ですか」

「そうだ。我が家の商業ネットワークを、他の大名にも開放する。通行税の一部を分配する」

信秋は、周辺の小大名たちと交渉を始めた。

「そなたの領地を通る商人から、通行税の半分をそなたに渡す。その代わり、妨害はやめてくれ」

小大名たちは悩んだ。だが、利益が目の前にあれば、多くの者は応じた。

「良かろう。だが、約束は守ってもらうぞ」

「むろんです」

こうして、信秋は金で問題を解決した。

だが、すべての大名が金で動くわけではなかった。

「殿、浅井長政が、我が家の商人を拿捕しました」

「何だと」

信秋は驚いた。浅井長政は、信長の敵。北近江を支配する強硬派だ。

「理由は?」

「我が家が信長様の味方だから、とのことです」

「......政治的な妨害か」

これは、金では解決できない。

「信長殿に報告する。浅井を討つ口実になる」

だが、浅井長政は間もなく滅ぼされた。天正元年(1573年)、小谷城が陥落し、浅井家は滅亡した。

信長の勢力は、ますます拡大していった。

そして、その中で、桐生家の商業帝国も安定していった。

第七章:長篠の戦い

天正三年(1575年)、春。

「殿、武田勝頼が動きました」

村井が報告に来た。

武田勝頼。信玄の子で、武田家を継いだ若き当主だ。父・信玄の死後、家臣団をまとめ、再び拡張政策を取っていた。

「目標は?」

「徳川領です。長篠城を包囲しております」

信秋は立ち上がった。

「家康殿は?」

「救援を要請しておられます。信長様も、出陣の準備を」

「我が家も出陣だ」

信秋は、この戦いの重要性を理解していた。ここで武田を破れば、東海の脅威は消える。

五月、織田・徳川・桐生の連合軍は、長篠に到着した。

総勢三万八千。対する武田軍は一万五千。

だが、武田には最強の騎馬隊がいた。

「殿、武田の騎馬隊は恐ろしいです」

虎吉が心配そうに言った。

「ならば、騎馬隊を封じる策を考えねばならない」

信長は、革新的な戦術を用いることにした。

「鉄砲だ。三千挺の鉄砲で、武田の騎馬隊を撃ち破る」

三段撃ちの戦法。一段目が撃ち、装填している間に二段目、三段目が撃つ。これにより、連続射撃が可能になる。

「桐生殿、そなたの鉄砲隊も、この戦法で戦ってくれ」

「承知しました」

桐生家は、二百挺の鉄砲隊を持っていた。これを信長の三段撃ちに組み込む。

さらに、信秋は別の策も提案した。

「馬防柵を築きましょう。鉄砲の前に柵を立て、騎馬隊の突進を防ぐのです」

「なるほど」信長は感心した。「良い案だ。採用する」

設楽原に、馬防柵が築かれた。その後ろに、三千挺の鉄砲隊が配置された。

五月二十一日、戦いが始まった。

武田軍の騎馬隊が、猛然と突撃してきた。

だが、馬防柵がその勢いを削いだ。そして、鉄砲が火を吹いた。

「撃て!」

一斉射撃。騎馬隊が次々と倒れる。

「装填!」

二段目が撃つ。三段目が撃つ。

連続した射撃に、武田軍は混乱した。

「退け!一旦退け!」

武田軍は撤退しようとしたが、時すでに遅し。

織田・徳川連合軍が、総攻撃を開始した。

「全軍、前へ!」

武田軍は壊滅した。

名だたる武田の武将たちが、次々と討ち死にした。山県昌景、馬場信春、内藤昌豊。

戦国最強と謳われた武田の騎馬隊は、ここに敗れ去った。

戦後、岡崎城で祝宴が開かれた。

「桐生殿、そなたの提案した馬防柵が、勝利の決め手だった」

信長が感謝の言葉を述べた。

「いえ、信長様の鉄砲戦術があってこそです」

「いや、そなたがいなければ、わしも思いつかなかった」

家康も言った。

「桐生殿、またしてもそなたに救われた」

「いえ、我々は盟友ですから」

三人は杯を交わした。

長篠の戦いにより、武田家は決定的に衰退した。そして、織田信長の覇権は、揺るぎないものになった。

信秋は、この勝利を見て思った。

「信長殿は、天下を取る。もう止められない」

ならば、我が家は、その天下の中でどう生きるか。それが問題だ。

第八章:安土城

天正四年(1576年)、春。

織田信長は、琵琶湖のほとりに新しい城を築き始めた。

安土城。

「桐生殿、新しい城を見に来ないか」

信長に招かれ、信秋は安土を訪れた。

そこには、まだ建設中の巨大な城があった。五層七階の天守。金箔で飾られた豪華な内装。

「すごい......」

信秋は圧倒された。

「どうだ、桐生殿」信長は得意そうに言った。「これが、新しい時代の城だ」

「見事です。だが、これだけの城を築くには、莫大な費用が」

「金なら、ある」信長は笑った。「商業を発展させれば、金はいくらでも入る。そなたから学んだのだ」

信長は、信秋の経済政策を取り入れていた。楽市楽座、関所の撤廃、商人の保護。これらの政策により、織田領は豊かになっていた。

「桐生殿、そなたに頼みがある」

「何でしょうか」

「この安土城下町を、そなたの犬山のような商業都市にしたい。手伝ってくれないか」

信秋は考えた。これは、好機でもあり、危機でもある。

安土が発展すれば、犬山の地位は相対的に下がる。だが、断れば信長の不興を買う。

「喜んで」

信秋は受けることにした。だが、条件をつけた。

「ただし、信長様。犬山の特権は、保証していただきたい」

「特権?」

「はい。犬山は、我が家の独立した商業拠点として、信長様も干渉しないと」

信長は少し考えてから、頷いた。

「良かろう。約束する」

こうして、信秋は安土城下町の開発に協力した。

街道を整備し、商人を招き、市場を作る。犬山で培ったノウハウを、すべて安土に注ぎ込んだ。

一年後、安土城下町は、見事な商業都市に変貌した。

「桐生殿、感謝する」

信長は満足そうだった。

「これで、わしの城は、武力だけでなく、経済力も兼ね備えた」

だが、信秋には複雑な思いがあった。

安土の発展は、犬山の相対的な地位低下を意味する。いずれ、安土が東海の商業中心になれば、犬山の重要性は薄れる。

「殿、安土が発展すれば、我が家の立場は」

河野が心配した。

「わかっている」信秋は言った。「だから、次の手を打つ」

「次の手?」

「犬山を、製造業の拠点にする」

信秋は新しい戦略を考えていた。

単なる流通拠点ではなく、製品を作り出す拠点にする。刀、陶器、織物。高品質の製品を犬山で作り、全国に売る。

「製造業なら、安土と競合しない。むしろ、安土に製品を供給する側になれる」

信秋の新戦略が、動き出した。

第九章:宗教との戦い

天正八年(1580年)、春。

織田信長の最大の敵は、もはや武将ではなかった。

宗教勢力だ。

「殿、信長様が石山本願寺と和睦されました」

村井が報告した。

石山本願寺。大坂に拠点を置く、一向宗の総本山だ。十年にわたり、信長と戦ってきた。

「和睦の条件は?」

「本願寺は石山を退去。代わりに、信長様は他の寺領を認める」

「ついに、石山戦争が終わったか」

信秋は深く息を吐いた。この十年、石山本願寺との戦いは、信長の大きな重荷だった。

だが、宗教勢力との戦いは、まだ続いていた。

「殿、信長様が高野山を攻めるとの噂です」

「高野山を?」

高野山は、真言宗の聖地だ。ここを攻めるとは、信長の宗教政策がいかに徹底しているかを示している。

信秋は、信長の宗教政策に複雑な思いを抱いていた。

信長は、宗教勢力の政治的影響力を排除しようとしていた。比叡山を焼き討ちし、石山本願寺と戦い、一向一揆を鎮圧した。

その姿勢は、ある意味で正しい。宗教勢力が政治に介入すれば、国は乱れる。

だが、同時に危険でもあった。宗教を敵に回せば、民衆の反発を招く。

「殿、我が家は、どう対応すべきでしょうか」

河野が尋ねた。

「中立を保つ」信秋は言った。「信長殿の政策は支持するが、同時に寺社とも良好な関係を保つ」

信秋は、各地の寺社に寄進を続けた。金銭的な支援を惜しまず、修復工事にも協力した。

「桐生殿は、信長殿の家臣でありながら、我々にも配慮してくださる」

寺社の僧侶たちは、信秋を評価した。

こうして、信秋は信長と宗教勢力の間で、巧みに立ち回った。

だが、この バランスは、いつまで保てるだろうか。

第十章:天下統一へ

天正九年(1581年)、夏。

織田信長の勢力は、ついに日本の半分以上を支配するまでになった。

「殿、信長様が京都で御馬揃えを行われました」

村井が報告した。

御馬揃え。軍事パレードだ。信長は、自らの軍事力を誇示した。

「規模は?」

「騎馬だけで一万。歩兵を含めれば十万を超えます」

「すごいな......」

信秋は感嘆した。これほどの軍事力を持つ大名は、かつていなかった。

「信長様は、まもなく天下統一を成し遂げられるでしょう」

河野が言った。

「そうだな」信秋は頷いた。「だが、問題はその後だ」

「その後?」

「天下を統一した後、信長殿は何をするか」

信秋は、信長の性格を知っていた。激しく、革新的で、妥協を知らない男。

「信長殿は、古い秩序をすべて破壊しようとしている。公家も、寺社も、そして諸大名も」

「我が家も、ですか」

「可能性はある」信秋は正直に言った。「信長殿は、独立した勢力を許さないかもしれない」

信秋は、将来に不安を感じていた。

信長が天下を統一すれば、桐生家の独立も危うくなる。約束は、守られるだろうか。

「若殿、ならば、どうされますか」

源蔵が尋ねた。

「準備する」信秋は言った。「最悪の事態に備えて」

「最悪の事態、とは」

「信長殿が、我々を敵と見なした場合だ」

信秋は、秘密の計画を立て始めた。

犬山城の防備を強化し、兵を増やし、食料を備蓄する。さらに、他の大名との秘密の連絡網も築いた。

「万が一の時は、我々だけでも生き残れるように」

だが、信秋は信長と敵対したくなかった。できれば、このまま良好な関係を保ちたい。

天正十年(1582年)、春。

信長は、中国地方の毛利家を攻めるため、羽柴秀吉を派遣した。

「桐生殿、そなたも秀吉を支援してくれ」

信長に命じられ、信秋は物資を送った。

「秀吉殿、食料と弾薬です」

「桐生殿、ありがたい」

秀吉は、信秋の支援に感謝した。

この時、誰も知らなかった。

数ヶ月後、日本の歴史を変える大事件が起きることを。

第十一章:本能寺の変

天正十年(1582年)、六月二日。

未明。

「殿!大変です!」

村井が血相を変えて飛び込んできた。

「何事だ」

「信長様が、本能寺で討たれました!」

「何だと!」

信秋は飛び起きた。

「詳しく話せ」

「明智光秀が謀反を。本能寺を囲み、信長様を」

「光秀が......」

信秋は驚愕した。明智光秀。信長の重臣の一人。その男が、主君を討った。

「信長様は、どうされた」

「自刃されました。織田信忠様も、二条御所で」

「......」

信秋は言葉を失った。

織田信長。天下統一まであと一歩だった男が、家臣に討たれた。

信秋は、すぐに重臣を集めた。

「諸君、信長様が討たれた。これから、天下は大混乱になる」

重臣たちは、青ざめていた。

「殿、我が家は、どうすべきでしょうか」

「まず、静観だ」信秋は言った。「誰が次の天下人になるか、見極める」

「候補は?」

「光秀は、論外だ」信秋は断言した。「主君を討った男に、天下は取れない」

「では、誰が」

「秀吉だ」

信秋の目は、鋭かった。

「羽柴秀吉。あの男なら、できる」

数日後、秀吉が中国大返しを成し遂げたとの報が入った。

「殿、秀吉殿が驚異的な速さで畿内に戻られました!」

「やはりな」

六月十三日、山崎の戦い。

羽柴秀吉と明智光秀が激突した。

「殿、秀吉殿が光秀を破りました!」

「そうか」

信秋は深く息を吐いた。

「これで、決まったな」

「何が、ですか」

「次の天下人は、秀吉だ」

信秋は、すぐに行動した。

「秀吉殿に使者を送れ。祝賀と、我が家の支持を伝えよ」

「承知しました」

だが、信秋には不安もあった。

秀吉は、信長とは違う。農民出身の男だ。その男が、天下を取る。

果たして、秀吉は我が家の独立を認めるだろうか。

信秋は、新しい時代への準備を始めた。

終章:新たな始まり

天正十年(1582年)、冬。

清須会議が開かれた。

織田家の後継者を決める会議だ。羽柴秀吉、柴田勝家、丹羽長秀、池田恒興。織田家の重臣たちが集まった。

桐生信秋も、招かれていた。

「桐生殿、そなたの意見を聞きたい」

秀吉が尋ねた。

「私は、秀吉殿を支持します」

信秋は明確に答えた。

「織田家を継ぐのは、信長様のお孫にあたる三法師様。そして、その後見人として、秀吉殿が最もふさわしい」

秀吉は満足そうに頷いた。

「桐生殿、感謝する」

こうして、三法師が織田家を継ぎ、秀吉がその後見人となった。

実質的には、秀吉が織田家を支配することになった。

会議の後、秀吉は信秋を呼んだ。

「桐生殿、そなたは信長様の生前、ずっと忠実に仕えてきた」

「恐れ入ります」

「そして、わしにも協力してくれる。ありがたい」

秀吉は真剣な顔をした。

「桐生殿、約束する。わしが天下を取った暁には、そなたの独立を保証しよう」

「ありがたき幸せです」

だが、信秋は思った。

この約束は、守られるだろうか。秀吉は、野心的な男だ。天下を取れば、態度が変わるかもしれない。

犬山城に戻ると、信秋は天守に登った。

今や四十二歳。二十六年前、十六歳で家督を継いで以来、信秋は戦国の世を生き抜いてきた。

桐生家は、石高十万石。実質的な収入は、三十万石相当。商業帝国を築き、東海有数の勢力になった。

だが、これからが正念場だ。

秀吉の時代が始まる。その中で、桐生家はどう生き残るか。

「父上、私はまだ戦い続けます」

信秋は、亡き父に語りかけた。

「我が家の独立を守るため。領民を守るため」

窓の外では、星が輝いていた。

戦国の夜空は、まだ続く。

だが、信秋には確信があった。

「我が家は、生き残る。どんな時代になろうとも」

桐生信秋の戦いは、まだ続く。

天下統一の波が押し寄せる中で、小勢力がどう独立を保つのか。

それは、これから始まる新しい物語だった。


第二部 完

第三部へ続く


※本作品はフィクションです。登場する人物、団体、事件等は架空のものです。一部史実の人物名が登場しますが、物語は完全な創作です。

読むだけですっきりわかる戦国史

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