神崎美咲、拘束——。 機密漏洩の濡れ衣を着せられた彼女を救うため、悠真は藤堂の作戦に参加することを決意する。 ターゲットは、内調総務部次長・水野誠司。彼が外部と接触する現場を押さえ、真犯人であることを証明しなければならない。 そして作戦の舞台は——ファミリーストップ中井坂上店。 「なんで最後までコンビニなんですか!?」 おでんの湯気が立ち上るバックヤードで、すべての決着がつく。 平凡な大学院生が巻...
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恵方巻き作戦から一週間。 マイクロSDカードは無事に内調本部へ届けられ、悠真の生活は平穏を——取り戻すはずだった。 「桐生さん、ここを臨時の拠点にしたいのですが」 神崎の爆弾発言により、ファミリーストップ中井坂上店のバックヤードは、いつの間にか内調の「臨時連絡所」になっていた。 段ボールの山に紛れた通信機器。おでんの仕込みをしながらの暗号解読。レジを打ちながらのエージェント間連絡。 「バイト先がス...
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内調エージェント・神崎美咲との奇妙な同居生活が始まった悠真。 コンビニバイトとスパイの護衛という、およそ両立しそうにない日常。だが、世間は二人の事情などお構いなしに回っていく。 そう——節分である。 恵方巻きの予約、店頭販売、廃棄ロスとの戦い。コンビニ店員にとって一年で最も過酷な季節がやってきた。 そんな繁忙期のさなか、店に現れた不審な客。彼らの狙いは恵方巻きではなく——悠真が持つマイクロSDカー...
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喫茶店で謎の美女・神崎美咲と接触した悠真。彼女は内閣情報調査室——通称「内調」のエージェントだという。 だが、USBメモリを渡した直後、またしても銃を持った男たちが現れる。 「なんで僕ばっかりこんな目に!?」 逃走、カーチェイス、そしてなぜかコンビニバイト——。 軽自動車で追手を振り切り、たどり着いたのはバイト先のファミリーストップ。内調のエリートエージェントが、コンビニの制服を着て接客を始める異...
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東都大学大学院生・桐生悠真、二十四歳。彼の日常は至って平凡だった——週四回の深夜コンビニバイトと、機械学習の研究。奨学金とバイト代でなんとか生活を回す、どこにでもいる苦学生。 そんな悠真の人生が一変したのは、二月のある深夜のことだった。 怪しげなスーツの男、銃を持った追手、そして押し付けられた謎のUSBメモリ——。 「僕、ただのコンビニ店員なんですけど!?」 叫んでも誰も助けてくれない。平凡な大学...
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長編スパイ・サスペンス --- 元内閣情報調査室の凄腕エージェント・黒崎竜一、四十二歳。今は祇園の路地裏でバー「影」を営み、表舞台から身を引いたはずだった。 ある深夜、旧友・村上からの緊急連絡が届く。「至急会いたい。命に関わる」──だが、約束の場所に現れたのは村上ではなく、銃を構えた男たちだった。村上は口封じのために消されたのだ。 村上が追っていたのは、中国軍部の極秘計画「プロジェクト・ドラゴン」...
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天正十年から慶長年間。本能寺の変後、豊臣秀吉が天下統一を成し遂げ、やがて徳川家康の時代へ。桐生信秋(四十二歳〜六十五歳)は、二人の天下人に仕えながらも独立を守り抜く。朝鮮出兵、関ヶ原の戦い。激動の二十年を経て、ついに永遠の独立を勝ち取る。 天正十一年(1583年)、春。 賤ヶ岳の戦いで、羽柴秀吉は柴田勝家を破った。 これにより、秀吉は織田家の実権を完全に掌握した。 「殿、秀吉殿が大坂城の築城を始め...
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永禄年間から天正年間。織田信長の天下布武が本格化する中、桐生信秋(二十歳〜四十二歳)は商業帝国をさらに拡大し、情報と経済で独立を守り抜く。美濃攻略、信長上洛、長篠の戦い、そして本能寺の変。激動の二十年を、若き風雲児はどう生き抜くのか。 永禄四年(1561年)、春。 犬山城の評定の間に、桐生家の重臣たちが集まっていた。 「殿、織田様が美濃攻めを本格化させるとの情報です」 村井景行が報告した。 桐生信...
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戦国時代、美濃と尾張の間に位置する小勢力・桐生家の若き当主、桐生信秋(十六歳)が、織田・今川・斎藤という大勢力に囲まれながら、情報戦と経済戦略で独立を守り抜く物語。桶狭間の戦いを裏で操り、商業都市を築き、やがて東海の重要なプレイヤーへと成長していく、架空の戦国群像劇。 天文二十三年(1554年)、初夏。 美濃国と尾張国の国境に位置する小さな城、犬山城の天守から、少年は遠くの山々を見つめていた。 「...
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