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Easy Runningランニングの「強度」と健康の関係

——ジョギングからウルトラマラソンまで、どこまでが身体に良いのか

最初にお断りしておきますが、本記事は生成AIとの協働で書いたものです。
ですから、私自身の実感や想いなどとニュアンスが違ったところもありますので、ご了承ください。


はじめに

「走ることは健康に良い」——これはほとんどの人が信じている常識だと思います。実際、私も5ヶ月前にマラソントレーニングを再開してから、体調が良くなったと感じています。睡眠の質が上がり、仕事中の集中力も増し、何より精神的な安定感を得られるようになりました。これはトレーニング再開だけでなく、お酒を飲む頻度を大きく減らした効果も大きいと思います。

しかし、トレーニングを続けていくうちに、ふと疑問が湧いてきました。健康のためだけなら、心拍数120以下のゆるいジョギングを30分程度すれば十分なのではないか。では、私が時々行っている閾値走や、今は必要性を感じていないインターバル走は、本当に健康面でもプラスになっているのだろうか。そして、2月に控えている京都マラソン——42.195kmを一気に走り切るという行為は、果たして身体にとって「健康的」と言えるのだろうか。

この記事では、ランニングの「強度」という切り口から、健康との関係を4段階に分けて考えてみたいと思います。健康目的のジョギング、マラソンに向けた高強度トレーニング、フルマラソン本番、そしてウルトラマラソン。それぞれの段階で、身体に何が起きているのか、どこまでが健康に対してプラスで、どこからがリスクになるのか。同じようにランニングに取り組んでいる方々と一緒に考えていけたらと思います。


1. 健康目的のジョギング——最も確実なリターン

「適度な運動」の王道

健康目的でランニングを始める人が最初に取り組むのが、心拍数を上げすぎない、いわゆる「ゆるジョグ」です。目安としては、会話ができる程度のペース、心拍数で言えば最大心拍数の60〜70%程度、具体的には多くの人にとって心拍数110〜130程度(※年齢や安静時心拍数により個人差があります)になります。

この強度での運動は、現代の運動生理学において最も確実に健康効果が実証されている領域です。週に150分程度(たとえば30分×5日)の中強度有酸素運動は、心血管疾患リスクの低減、2型糖尿病の予防、認知機能の維持、うつ症状の軽減など、幅広い健康効果をもたらすことが、数多くの疫学研究で確認されています。

身体の中で起きていること

ゆるいジョギングを続けていると、身体の中では着実な変化が起きています。まず、心臓の効率が良くなります。安静時心拍数が下がり、一回の拍動でより多くの血液を送り出せるようになる。これは心臓への負担が減ることを意味します。

また、毛細血管が発達し、筋肉への酸素供給がスムーズになります。血管の弾力性も改善し、血圧が安定しやすくなる。さらに、インスリン感受性が向上することで、血糖値のコントロールが良くなります。

これらの変化は、特別なトレーニングをしなくても、ただ定期的に走るだけで得られるものです。週に3〜4回、30分程度のジョギングを続けるだけで、身体は確実に健康な方向へ変化していきます。

リスクとリターンのバランス

この強度のランニングは、リスクとリターンのバランスが最も優れています。関節や筋肉への負担は比較的小さく、免疫機能を低下させることもありません。むしろ、適度な運動は免疫力を高めることが知られています。

ケガのリスクも、フォームに気をつけ、適切なシューズを履いていれば、かなり低く抑えられます。オーバートレーニングの心配もほとんどありません。

純粋に「健康のため」という目的であれば、実はこの強度で十分なのです。それ以上のことをする必要は、健康という観点からは、ありません。


2. マラソンに向けた高強度トレーニング——追加のメリットはあるのか

閾値走とインターバル走の世界

マラソンを目指すランナーにとって、ゆるいジョギングだけでは不十分です。レースペースで42.195kmを走り切るためには、身体をより高いレベルに適応させる必要があります。そこで登場するのが、閾値走やインターバル走といった高強度トレーニングです。

私の場合、閾値走はキロ4分50秒〜5分程度のペースで20〜30分間走り続けるトレーニングです。心拍数は160〜170程度まで上がり、会話は難しくなります。(今は必要ないと考えているので行っていないのですが、インターバル走では、さらに速いペースで走る区間と、ジョグでの回復を繰り返します。)

これらのトレーニングは、正直なところ、きついです。ゆるジョグの心地よさとは全く異なる、追い込む感覚があります。終わった後は疲労感も大きい。では、こうした高強度トレーニングは、健康面ではどうなのでしょうか。

低強度では得られない効果

結論から言えば、高強度トレーニングには、低強度では得られない健康上のメリットがあります。

まず、心臓への効果が異なります。低強度運動が「心拍数を下げる」方向に働くのに対し、高強度運動は「心臓のパワーそのもの」を高めます。心臓の一回拍出量(一回の拍動で送り出す血液の量)が増え、心筋が強化されます。

代謝面でも大きな違いがあります。高強度運動後は「EPOC(運動後過剰酸素消費)」と呼ばれる現象が起き、運動終了後も数時間にわたってカロリー消費が続きます。また、インスリン感受性の改善効果は、低強度より高強度の方が大きいという研究結果もあります。

さらに注目すべきは、ミトコンドリアへの効果です。ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを作り出す「工場」のような存在ですが、閾値付近の強度でのトレーニングは、このミトコンドリアの数と機能を効率的に高めることが分かっています。加齢に伴うミトコンドリア機能の低下は、老化の主要因の一つとされているため、この効果は長期的な健康維持の観点からも重要です。

週1〜2回で十分

ただし、ここで重要なのは「頻度」です。高強度トレーニングの健康効果を得るために、毎日追い込む必要はありません。むしろ、週に1〜2回程度で十分な効果が得られます。

私自身のトレーニングでも、週に1回の閾値走(または今は行っていないですが、インターバル走)、週に1回のロング走、残りはイージーペースのジョグ、というのが基本的なバランスです。高強度の日と回復の日を適切に組み合わせることで、身体に過度な負担をかけずに、高強度トレーニングの恩恵を受けることができます。

逆に言えば、高強度トレーニングをやりすぎると、オーバートレーニング、慢性疲労、免疫機能の低下といったリスクが出てきます。私も先日、30km走の後の疲労が抜けきらないと感じた時は、予定していたロング走を筋トレに切り替えました。身体の声を聞きながら、バランスを取ることが大切です。

また、気温の低い真冬の早朝ランでは、閾値走の代替としてビルドアップ走にする場合も多いです。無理をせずに身体を温めながらペースアップということですね。

マラソントレーニングは健康に良いのか

週40〜60km程度のマラソントレーニングは、総合的に見れば、健康に対してプラスだと私は考えています。低強度と高強度を組み合わせたトレーニングは、心血管系、代謝系、筋骨格系のすべてに良い刺激を与えます。

実際、週に走る距離と死亡リスクの関係を調べた研究では、週に30〜40km程度までは走る距離が増えるほど死亡リスクが下がり、その後はリスク低減効果が横ばいになる(ただし、リスクが上がるわけではない)という結果が出ています。

ただし、これは「練習」の話です。では、フルマラソン「本番」はどうなのでしょうか。


3. フルマラソンを走ること——「健康」とは別の価値

レース当日、身体に何が起きるか

42.195kmを一気に走り切る——これは、日々のトレーニングとは質的に異なる体験です。私は2月の京都マラソンに向けて準備を進めていますが、レースで身体に何が起きるかは、ある程度理解しておく必要があると思っています。

まず、心臓への負荷です。フルマラソンを走った直後、心筋の一時的な機能低下を示すバイオマーカー(トロポニンなど)が上昇することが知られています。これは心筋が「ダメージ」を受けていることを示唆する所見です。

免疫機能も一時的に低下します。レース後数日間は、いわゆる「オープンウィンドウ」と呼ばれる状態になり、感染症にかかりやすくなります。私の周りでも、マラソン直後に風邪をひいたという話はよく聞きます。

筋損傷も相当なものです。特にレース後半、エネルギーが枯渇した状態で走り続けると、筋繊維へのダメージが大きくなります。翌日、階段を下りるのが辛いという経験は、多くのランナーが共有しているでしょう。酸化ストレスも増加し、体内の炎症反応が高まります。

「一時的」という重要な但し書き

ここで重要なのは、これらの変化のほとんどは「一時的」だということです。心筋のバイオマーカーは数日で正常化し、免疫機能も回復します。筋肉も、適切な休息と栄養を取れば、1〜2週間で元に戻ります。

年に数回のフルマラソンであれば、これらの一時的なストレスが長期的な健康被害につながるというエビデンスは、現時点ではほとんどありません。身体には回復力があり、適切な休息を取れば、元の状態——あるいは、適応によってより強い状態——に戻ることができます。

問題になるのは、回復が不十分なまま次のレースに出る、いわゆる「連戦」のケースです。身体が回復しきる前に再び大きなストレスをかけると、ダメージが蓄積していく可能性があります。

それでも走る理由

正直に言えば、フルマラソンは「健康のため」に走るものではないと思います。純粋に健康維持が目的なら、日々のトレーニングで十分であり、わざわざ42.195kmを走る必要はありません。

では、なぜ走るのか。それは、挑戦する喜び、達成感、自分の限界を試す経験——そういった、「健康」とは別の価値があるからだと思います。

私が京都マラソンを目指しているのも、健康のためではありません。5ヶ月間積み上げてきたトレーニングの成果を試したい、自分がどこまでやれるか知りたい、そしてゴールラインを超えた時の達成感を味わいたい——そういう気持ちからです。

フルマラソンを走ることは、健康という観点ではプラスマイナスゼロか、あるいは短期的には若干のマイナスかもしれません。しかし、そこに至る練習過程で得られる健康効果、そして達成感がもたらす精神的な充実感を考えれば、トータルではプラスになると私は考えています。


4. ウルトラマラソン——リスクが高まる領域

フルマラソンを超える世界

フルマラソンの先には、ウルトラマラソンという世界があります。100km、100マイル(約161km)、24時間走、さらには数日間にわたるステージレース。こうした極端な距離を走ることは、健康との関係でどう考えればいいのでしょうか。

実は私自身、20年ほど前に100kmウルトラマラソンを3回走った経験があります。ベスト記録は9時間21分46秒。この経験から、フルマラソンとは質的に異なる身体への負担を、身をもって知っています。

50km以降の世界——身体が壊れていく感覚

私のベスト記録のレースを振り返ると、42.195km通過が3時間30分31秒でした。フルマラソンとしても悪くないペースです。しかし、そこからが本当の戦いでした。

50kmを過ぎたあたりから、明らかにペースダウンが始まりました。脚が言うことを聞かなくなり、一歩一歩が重くなっていく。90km地点の通過が8時間12分。そしてゴールが9時間21分46秒。つまり、ラスト10kmに1時間10分近くかかったのです。

この最後の10kmは、今でも鮮明に覚えています。走っているというより、なんとか前に進んでいるだけ。筋肉は悲鳴を上げ、関節は軋み、内臓も疲弊している感覚がありました。フルマラソンの「きつさ」とは次元が違う、身体が壊れていくといえば大袈裟かもしれませんが、それほどのダメージ蓄積を感じたものです。

累積的なストレスの問題

フルマラソンで見られる一時的な変化——心筋へのストレス、免疫機能の低下、筋損傷——は、距離が伸びるにつれて増大します。そして、ある時点を超えると、「一時的」で済まなくなる可能性が出てきます。

私の経験で言えば、50kmを過ぎてからの身体の変化は、フルマラソン後半の疲労とは比較になりませんでした。エネルギーが完全に枯渇し、筋グリコーゲンも使い果たし、身体は自分自身を「食べながら」走っているような状態。これが身体に良いはずがない、というのは走りながら感じていました。

スポーツ医学の研究でも、極端な持久運動を長年続けたアスリートの中に、心房細動(不整脈の一種)のリスクが高まるという報告があります。また、心臓の一部が線維化(硬くなる)するケースも報告されています。ただし、これらの研究はまだ発展途上であり、一般のウルトラランナーにどこまで当てはまるかは不明です。

回復に必要な時間

ウルトラマラソンからの回復には、フルマラソンからの回復以上の時間がかかります。私の場合、100kmレースの後は、まともに走れるようになるまで1週間、身体が完全に回復したと感じるまでには2週間くらいかかったかな?(うろ覚えです。)

フルマラソン後の筋肉痛は数日で引きますが、ウルトラ後は1週間以上続くことも珍しくありません。階段の上り下りが辛いどころか、日常生活の動作すべてに影響が出ます。

こうした長い回復期間を頻繁に繰り返すことが、長期的な健康にどう影響するかは、まだよく分かっていません。

「挑戦」と「健康」のトレードオフ

ウルトラマラソンは、フルマラソン以上に、「健康のため」ではなく「挑戦のため」の行為だと断言できます。あの100kmを走り切った達成感は、今でも人生の中で特別な記憶として残っています。しかし同時に、あれが身体に良かったとは到底思えません。

これは、ウルトラマラソンを否定するものではありません。人生において、純粋な「健康」以外の価値——挑戦、達成、限界の探求——を追求することは、十分に意味のあることです。私自身、あの経験を後悔はしていません。ただ、そのトレードオフを理解した上で選択することが大切だと思います。

もしウルトラマラソンに興味があるなら、まずはフルマラソンを十分に経験し、自分の身体の回復力を把握した上で、徐々にステップアップしていくことをお勧めします。そして、レース後の回復期間を十分に取り、頻繁に走りすぎないことが、長期的な健康を守る上で重要だと考えます。


おわりに——持続可能なランニングライフのために

ここまで、ランニングの強度と健康の関係を4段階に分けて見てきました。改めて整理すると、以下のようになります。

健康目的のジョギング(心拍数120程度、30分)は、最もリスクが低く、確実に健康効果が得られる「安全地帯」です。純粋に健康維持が目的なら、これで十分です。

マラソンに向けた高強度トレーニング(閾値走、インターバル走など)は、低強度では得られない追加の健康効果をもたらします。ただし、週1〜2回程度に留め、回復をしっかり取ることが重要です。

フルマラソン本番は、短期的には身体にストレスを与えますが、適切な回復を取れば長期的な悪影響は少ないと考えられます。「健康のため」というより「挑戦のため」に走るものだと割り切った方がいいでしょう。

ウルトラマラソンは、さらにリスクが高まる領域です。挑戦する価値はありますが、十分な準備と回復期間の確保が不可欠です。

私自身は今、京都マラソン完走を目標に、日々のトレーニングを積み重ねています。当初はサブ4(4時間切り)を目指していましたが、現在の走力を冷静に分析した結果、今回は完走を第一目標とし、サブ4は来シーズン以降に持ち越すことにしました。

この判断は、目標を下げたのではなく、持続可能なランニングライフを送るための戦略的な選択だと考えています。それと同時に、マラソン経験者といえども、半年程度の練習ではマラソンを走るための身体を作れないということを、練習を重ねるうちに実感したところです。

ランニングと健康の関係は、単純な「走れば走るほど健康になる」というものではありません。自分の目標と現在の状態を見極め、適切な強度と回復のバランスを取りながら、長く走り続けられる身体を作っていくこと。それが、ランナーにとっての本当の「健康」なのではないかと思います。

同じようにランニングに取り組んでいる皆さんも、ぜひ自分なりのバランスを見つけてください。そして、できれば長く、健康に、走り続けましょう。