気温0℃。吐く息も白い早朝ランニング。 しっかり手袋をしているのに、10km、15kmと走っても指先は氷のように冷たいまま……。 ところが、18kmを過ぎたあたりで手が温かくなってくる。
「これって自分だけ?」「体質?」 そんな疑問を抱いているランナーの方へ、今回はこの現象の裏側にある「体の防衛本能」について解説します。但し、かなり個人差が大きな事柄だと思うので、万人には当てはまりません。
体は「命」を最優先に守っている
外気温が氷点下に近いとき、人間の体は驚くほどシビアな判断を下しています。それは「内臓と脳(深部体温)を絶対に冷やさない」ということです。
運動を始めると血液が循環しますが、体はまず冷たい外気に触れている手足の血管をギュッと収縮させます。これを「末梢血管の収縮」と呼びます。
指先への血流をあえて制限することで、
血液が外気で冷やされるのを防ぐ
温かい血液を「動かしている脚の筋肉」と「大事な内臓」に集中させる という戦略をとっているのです。いわば、指先を犠牲にして「エンジンの過冷却」を防いでいる状態ですね。
「18kmの境界線」で何が起きているのか?
では、なぜ20km弱(18km付近)になると手が温かくなるのでしょうか。 そこには、体内の「熱のバランス」が逆転するタイミングが関係しています。
熱の蓄積: 走り続けるうちに、脚の大きな筋肉が大量の熱を産生し続けます。
深部体温の上昇: 1時間以上走り続けると、さすがに体温が上がりすぎてしまい、今度は「オーバーヒート」の危険が出てきます。
放熱スイッチON: 18km前後で体は「これ以上熱を溜めると危ない!外に逃がせ!」と判断を変えます。
血管の拡張: 閉じられていた手足の血管が開き、温かい血液が指先まで流れ込みます。
このあたりから手が温かくなるのです。つまり、手が温かくなったのは、体が十分に温まり、余った熱を捨て始めたサインと言えます。
この現象が起きる人の特徴
実はこれ、誰にでも同じタイミングで起きるわけではありません。
体脂肪が少ない: 断熱材(脂肪)が少ないランナーほど、体は芯を守ろうとして末端を冷やしやすくなります。
省エネ体質: エネルギー効率が良い人ほど、無駄な放熱を抑えるため、温まるまで時間がかかる傾向があります。
「15km走っても手が冷たい」というのは、ある意味でランナーとして体が効率よく機能している証拠でもあるのです。
まとめ
冬のロング走で、20km手前で訪れる「手の温もり」。 それは、体が懸命に体温をコントロールし、防衛モードから放熱モードへ切り替わった証です。
もし「もっと早く温めたい」と思うなら、走り出しに腕を大きく回して遠心力で指先に血を送ったり、手首(血管が太い場所)を重点的に保温したりするのが効果的です。
皆さんも、自分の体の小さなサインに耳を傾けながら、冬のランニングを楽しみましょう!(ぶっちゃけ、寒い朝に外へ出るには気合が必要です。)
さらに寒い朝は手が温まらない
2026年1月10日追記
今朝は今季一番に近い冷え込みでした。
ハーフの距離をマラソンペース走(5:30/km前後)しましたが、最後まで手は冷たいままでした。このように私自身の中でも状況により違います。なので、他のランナーさんはもっと違うのだろうと思います。