フォーク・ギターとクラシック・ギターとアコギのあれこれ

フォーク・ギターとクラシック・ギターとアコギのあれこれGuitar / Ukulele
フォーク・ギターとクラシック・ギターとアコギのあれこれ

先日、20回目のエレキギター・レッスンを受講してきた。内容は教室に復帰してから再びやっている”SAN MARINO BREEZE”のソロパートの練習であった。その楽譜の中でコード進行だけあり、ソロパートが載っていない部分があるので、そこをどう弾くかとゴチャゴチャとしたのであった。が、その事についてこの記事では書かない。

レッスンから帰ったら妻に「もうフォークはやらんの?フォークの方がジーンとくる曲があるのにね。」と聞かれた。敢えて「フォーク」という部分には突っ込まず、「エレキはやかましいだけか?」なんて答えておいた。(私は以前、クラシックギターを習っていたので「フォーク」は「クラシック」を指している。)

上に書いたように、私の妻はフォークギターとクラシックギターの違いについてよく理解していない。そこで、今回はレッスンの内容とは離れ、ギターに興味が無い人にはわかりにくいアコギ(アコースティックギター又はフォークギター)とクラギ(クラシックギター)について私なりに書いてみたい。一般的に言われていることと、異なることを書いているかもしれませんが、ご容赦願いたい。

アコースティック・ギター

まずはアコースティック・ギターから。省略してアコギと呼ばれることもあります。「アコースティック」を大辞林 – 物書堂で調べると以下のように書かれています。

電子装置を用いないこと。また、そのような楽器。

ついでに”acoustic”もウィズダム英和・和英辞典 2 – 物書堂で調べてみた。

アンプを用いない、アコースティックの〈楽器・曲など〉

この意味の通り「アコースティック・ギター」というのは、電気を使わずに音を出すギター全般の事を表します。下の画像は最も一般的なアコースティック・ギターです。いや、価格的にも品質的にも上位クラスなので、そういった面では一般的ではありません。

このギターは、「フォーク・ギター」に私の中では分類されます。もう一種類アコースティックギターの代表格として「クラシック・ギター」があります。それが下の画像。

ギターをやっていれば、一目で違いがわかるかもしれませんが、そうでなればどこが違うのかわかり難いですね。この違いなどについて、以下に書いていきます。

フォーク・ギター

上に「電気を使わずに音を出すギター全般がアコースティック・ギター」と書きましたが、「フォーク・ギター」のことを指して「アコースティック・ギター」略して「アコギ」と呼ぶ場合もある。というか、「アコギ」=「フォーク・ギター」を指している場合が多いかと思われる。アコースティック・ギター – Wikipediaにもこのように書かれています。

アコースティックギター(英: acoustic guitar[1])とは、撥弦楽器であるギターのうち、より古典的な、楽器から直接音声を得るものを指す。ピックアップを備え電気信号を出力するエレクトリックギターに対して旧来のギターを区別するためのレトロニムである。狭義ではフォークギターのことを指し、こちらのほうが一般的な用法である。

まとめると、このようになります。

  1. 「アコギ(又はアコースティック・ギター)」=「フォーク・ギター」を指して言う場合が多い。
  2. 電気を使わずに音を出すギター全般を指して「アコースティック・ギター」と言う場合もある。

この記事の中では、「クラシック・ギター」と区別するため、アコースティック・ギターの一種類としてのフォーク・ギターのことは「フォーク・ギター」と書きます。で、このフォーク・ギターの特徴は下記です。

  • 弦はスチール(鉄)。
  • ネックの幅がクラシック・ギターと比較して細い。
  • ネックと指板にポジション・マークがある。
  • ネックとボディーとの接続は14フレット。
  • ボディーがクラシック・ギターと比較して大きい。
  • ピックガードがある。

私がギターをはじめたとっかかりがフォーク・ギターです。今から35年とちぇっと前のことになります。当時、デビューしたての長渕剛や松山千春、中島みゆきなどの曲を練習していた。アルペジオやコードストロークで歌の伴奏部分を主に弾いていました。少し上達してきたら、今で言うソロ・ギター的なこともやっていた。

上に書いた3名ですが、今ではフォーク・シンガーとは言えないでしょうが、当時はフォーク・シンガーに分類されていたかと思います。アラフィフの私よりもう一つ年代が上だと、かぐや姫やガロなどに夢中になっていた方も多いのではなかろうかと思う。参考までにWikiへリンクしておきます。

当時は、こういったフォーク・シンガーが弾き語りなどをする際、主に使っていたギターが「フォーク・ギター」です。フォーク・シンガーが多く使っていたので、その当時は「フォーク・ギター」という呼び名が一般的であった。

時代は移り変わり、「フォーク・ギター」も様々なジャンルの楽曲で使われるようになった。そして「フォーク・ソング」も昔のように流行っていない。なので現在では、この種のギターを「アコースティック・ギター」と呼ぶようになってきたのではないかと思います。

フォーク・ギターの歴史ってどうなのかとググってみた。そうしたらマーティンの歴史=フォーク・ギターの歴史と捉えても良いようです。フォーク・ギターの特徴のうち、14フレットでのボディーとの接続。これはマーティンが最初に行い、現在のフォーク・ギターに於ける標準規格になっています。

引用元: マーティンギターの歴史

なかでも1934年に発表された14フレット・ネック・ジョイント・ドレッドノート・モデルがマーティン・ギターの革新を決定付けた。ロング・ネックの設計コンセプトは、以後今日に至るまで世界中のアコースティック・ギターの標準規格となっている。

フォーク・ギターを使った曲で、最近良いと感じた曲です。と言っても、最近発表された曲ではありませんが、、。

ほんの数ヶ月前にAmazonプライム・ビデオで観た深夜食堂のテーマソングです。原曲はアイルランド民謡の”Pretty girl milking a cow”という曲だそうです。ソースは深夜食堂のうた – Amazonです。

【収録曲】
01思ひで 鈴木常吉
作詞:鈴木常吉/作曲:アイルランド民謡(アルバム「ぜいご」より)

フォーク・ギターを使って演奏する音楽ジャンルは、やはりポピュラー系が多いかと思います。別にどんなジャンルの音楽に使っても良いのだが、クラシック音楽やロックで使われることは比較的少ないだろう。

押尾コータローの演奏に対して「フォーク・ギター」と言うには違和感を感じるが、こういった演奏にも使われています。

演奏方法はピック、サムピック、フィンガーピッキングと様々な方法があり、こうしなければならないという演奏方法が確立されているわけでない。

クラシック・ギター

では、次いでクラシック・ギターについて書きます。クラシック・ギターの歴史については、クラシックギター誕生ストーリー – 楽器解体全書PLUSに簡単ではありますが、書かれています。その一部を引用させていただく。

19世紀ギターは、製作者によって形状もサイズもさまざまでした。しかしいずれも小ぶりなつくりで、小さな音しか出ない楽器でした。
それを大きくして音の面でも改良したのが、1817年にスペインで生まれたギター製作家、アントニオ・デ・トレースです。彼は、弦やボディの長さを伸ばし、ボディの幅も広くして現代ギターの基礎をつくりました。

マーティンが現代的なフォーク・ギターを製作したのとそう大きく違わない頃にアントニオ・デ・トレースが現在のクラシック・ギターの基礎を作ったということのようです。ギターにとって革命的な年代であったということになりそうです。

既に販売されていないかもしれませんが、この書籍に「ギター誕生物語」という一節があり興味深いです。クラシック・ギターは古くからあるギターの仕様を受け継ぎつつ、現代の形になっています。

ではクラシック・ギターの特徴を箇条書きにします。上で書いたフォーク・ギターの特徴と同じことについて書いています。

  • 弦はナイロン。
  • ネックの幅がフォーク・ギターと比較して太い。
  • ネックと指板にポジション・マークがない。
  • ネックとボディーとの接続は12フレット。
  • ボディーがフォーク・ギターと比較して小さい。
  • ピックガードがない。(フラメンコギターにはゴルペ板というのがありますが。)

最初に「弦はナイロン」と書いていますが、昔はガット(羊の腸をニカワで固めたもの)が使われていました。なのでナイロン弦を張ったギターを「ガット・ギター」と呼ぶこともあります。スチール弦を張ったフォーク・ギターはやはり金属的な音がしますが、クラシック・ギターは柔らかく繊細な音になり、この音に癒されます。ですが、硬めの音を鳴らすこともできますよ。

次いでネックの幅。フォーク・ギターはネック先端に付いているナットの幅が42mm前後、クラシック・ギターでは50〜52mmくらいと、10mmほど違います。クラシック・ギターの経験がなければ、ネックが太すぎて弾きにくいと感じるかと思いますが、複数弦を使ってメロディーと伴奏を同時に奏でるには、このくらいの太さがあった方が理にかなっています。

クラシック・ギター以外ではポジション・マークがネックに付いており、一目で何フレットかわかるようになっているが、クラシック・ギターには基本的にこれがない。他のギターは合理的に進化しているように思うが、このような面ではクラシック・ギターは遅れているのかもしれない。それとも何か理由があるのだろうか?それとハイポジションにカッタウェイがあるクラシック・ギターも殆ど無い。これはサウンド面にも影響するからだろうか?演奏性は悪くなるけど。というわけで、他のギターと比較すると演奏性は劣るようにも思うが、極めている人の演奏はそんなことには全く関係ないのである。

ところで、私の妻が良いと言っている曲はこれ。これほど美しくは弾けないが、私も以前よく練習していました。いつの間にか妻が口ずさんでいることもあったりしたものです♪ 聴いた感じでは難しそうでないかもしれないが、左手は必死のパッチですよ!

クラシック・ギターで演奏される音楽は主に上で紹介したような音楽です。いわゆるクラシック音楽とクラシック・ギター向けに作曲された音楽をフィンガー・ピッキングで演奏します。基本的には爪を使って撥弦するので、クラシック・ギタリストの右手(左利きの場合は左手)の爪は長く、丁寧に手入れされています。撥弦に使う指は親指から薬指までの4本です。小指を使う場合もあるようですが、ごく特殊な場合だけであります。

クラシック・ギターは小さなオーケストラと称されることもあり、ギター1本でメロディーと伴奏を演奏することが出来ます。これはもちろん、フォーク・ギターでも可能ではありますが、クラシック・ギターの方がこのような演奏に向いています。

他のジャンルでクラシック・ギターが使われるというと、真っ先に思い浮かぶのが演歌です。古賀政男とか木村好夫のギターと演歌ですね。ああ、昭和を想い出す。(笑)

その他、ロックで使われることもあり、Van Halenが1979年にSpanish Flyという曲を演奏しています。この曲を木村大さんがコピーしてHEROというアルバムに収録しているという楽しげなことにもなっています。

てなわけで、アコースティック・ギターについて、つらつらと書いてしまいました。内容がちゃんと纏まっていないような気がするが、まあええか!


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