メールに限らずですが、色々な宛名を見かけます。
- □□会社 ○○殿
- □□会社 ○○様
- □□会社 ○○課長様
- □□会社 ○○課長殿
- □□会社 △△課長 ○○様
- 関係各位殿
- 関係者各位
その他にもありそうですが、敬称に「殿」、「様」、役職名にも「殿」や「様」がついていたりと。一体どれが正しくてどれが間違っているの?それともどれでも良いのでしょうか?
調べてみた
てなわけで、大辞林とネットを使って調べてみました。
どの【殿】
まずは「殿」から、大辞林第三版より。
人名や官職名などに付けて,敬意を添える。「山田太郎━」「部隊長━」〔古くは,「関白━」「清盛入道━」など,かなり身分の高い人に付けても用いた。現在では,目下に対してや事務的・公式的なものに用いることが多く,少なくとも,目上に対しての私信にはほとんど用いない〕
「目上に対しての私信にはほとんど用いない」となっています。ということは、使えるのは部下に対してくらいでしょうか。お客さんに対しては使わない方が良さそうですね。
さま【様】
「様」にはいろいろな意味がありますが、その中から敬称に関する意味を大辞林第三版から抜粋しました。
人を表す名詞または身分・居所などに付いて,尊敬の意を表す。「中村━」「お母━」「殿━」「仏━」「公方くぼう━」
特にどういった場面で使うというような事は書いてありませんが「尊敬の意を表す」となっているので、たいていの場面で無難に使えるのではないでしょうか。
ここで「殿様」って出てきた。あれあれ?敬称が二つ続いているようにも見えるが、この事が「殿様」と関係あるの?
との【殿】
そんなわけで、「殿(との)」も大辞林で調べた。
- 貴人を敬っていう語。「━の御機嫌がよい」
- 女が男を敬っていう語。
- 妻が夫を敬っていう語。「━はおなじ心にもおぼさぬにや/宇治拾遺物語6」
- 摂政または関白を敬っていう語。「━(=摂政藤原伊尹),そこに堂をたてん…,と/宇治拾遺物語6」
- 貴人の住む大きな建物。邸宅。「━より使ひひまなくたまはせて/竹取物語」〔5. が原義。のちそこに住む人をもいうようになった〕
「殿様」の「殿(との)」は敬称の「殿(どの)」とは違うということがわかりました。
課長様は正しいのか?
「○○課長様」、「○○課長殿」という宛名をよく見かけますが、これは正しいのでしょうか?
大辞林で「課長」を調べてみましたが、答えは出ませんでした。
官庁や会社などで、課の事務を管理し、部下を監督する職。また、その職の人。
「部長」で調べても同じような説明になっています。
では次にネットで調べてみます。
「殿」の項目に出てきます。
役職名に続けて用いることがある(例:部長殿)。ただし「○○部長殿」のように「名前+役職名+殿」のように用いるのはこの場合の役職名は敬称である(後述)ことから二重敬語であり、誤りである。正しい使用方法は、「姓+部長」(口頭や通常の文書)か「××部長+姓名+殿」(形式張った文書)である。
「◯◯課長殿」という使い方は二重敬語になるので、あまりよろしくないようですね。
これも「殿」の項目から引用させていただきます。
一般に、宛名が役職名の場合に用いられます。また、役職名のみでなく公用文では、「田中文男殿」のように使われることもあります。
使用例: ○○株式会社 人事部長殿
使用例からすると、「役職名+殿」はOKのようですね。「姓+役職名+殿」はNGという印象を受けます。
「社長」「専務」「常務」「部長」などの役職名には敬称が込められています。
敬称 – Wikipediaに書かれている内容と同じく、役職名には敬称が込められている。となっているので、役職名+殿、役職名+様はNGとされています。
各位
各位に「殿」や「様」を付けるのは正しいのか?
大辞林から引用させていただく。
二人以上の人を対象にして,それぞれの人に敬意を表す語。みなさまがた。「関係━」〔「各位」はすでに敬意を含んでいる言葉であり,「各位殿」などとする必要はない〕
「各位」はすでに敬意を含んでいる言葉であり,「各位殿」などとする必要はないとなっており、「殿」や「様」を付けると二重敬語になってしまいますね。
まとめ
私がどのようにしているかをまとめておきます。
姓+敬称の場合
「◯◯様」と「様」を敬称に使います。
役職名を使う場合
「営業課長 ◯◯様」のように「役職名+姓+様」としています。又は「◯◯課長」とする場合もあります。
上で調べた結果からは、姓を付けずに「営業部長殿」という使い方も出来るようです。ですが私は使わないようにするつもりです。
各位
これはもう明らかですね。「関係各位」というふうに使います。しかし、ここでまた「関係各位」なのか「関係者各位」なのか?という疑問も出てきた。どちらが正しいのかよくわからないので、Google先生の検索結果にリンクしておきます。
郷に入っては郷に従え
- 敬称の使い分け《大人のマナーと遊びごころ~マナー編◆敬称》から引用させて頂きます。
「課長」「課長様」「さん」のどれを使うかは、業界や会社の風土・状況にあわせて使い分けるようにしてください。
こだわりすぎて、自分一人だけ周囲と違った敬称の付け方をするより、たとえ間違った使い方であってもその状況に応じた使い方をした方が良いかもしれませんね。
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