今月は「疲労抜き月間」として、ゆっくりとしたジョグを積み重ねています。指標にしているのは、ガーミンのトレーニングレディネス。これを50以上に保つのが目標です。昨日までは順調にキープしていましたが、今朝は43に低下。それでも、先月までの低空飛行に比べれば随分と改善されてきました。
疲れが抜けてきた実感もあったので、そろそろ少し刺激を入れてみようと思い立ち、昨日のジョグの最後に「深北緑地」の芝生広場外周(1周700m)を、少しペースアップして走ってみました。ペースは計測していませんが、体感でキロ5分前後だったと思います。
そして今朝は、この700mインターバルに本格的にトライ。設定は「閾値ペース(キロ5分弱)」を目安に、キツくなりすぎない強度で3本。これが意外にも手応えがあり、「やってみる価値あり」と感じたので、そのメリットを整理してみることにしました。
ハードなインターバルは本当に必要か?
「インターバル走」と聞くと、1000mを5本、必死の形相で追い込む練習をイメージする方も多いでしょう。たしかに競技志向の若いランナーならそれが王道です。しかし、60代で月間300km前後を走り、サブ4を目指す市民ランナーの私にとって、そのアプローチが最善かどうかは別問題です。
正直なところ、サブ4達成にはインターバルは必須ではなく、「ロング走」と「閾値走」の組み合わせで十分届くと考えています。上手くいけば、キロ5分半程度のペース走だけでも到達できるかもしれません。
とはいえ、サブ4への近道があるなら取り組んでみたい。けれど、息が切れて動けなくなるような苦しさは避けたい。そんなわがままなニーズに応えてくれるのが、この「緩めインターバル」です。
二つの指標:$VO_{2}\text{max}$ と LT の違い
トレーニングを理解する上で欠かせないのが、$VO_{2}\text{max}$(最大酸素摂取量)と LT(乳酸閾値)の違いです。
- $VO_{2}\text{max}$(エンジンの排気量): 身体が取り込める酸素の最大値。スピードの「絶対的な限界」を決めます。
- LT(巡航速度の限界): 乳酸が溜まり始める境界点。「きついけれど維持できるペース」の土台となります。
マラソンにおいて大切なのは、エンジンの最大出力($VO_{2}\text{max}$)を上げることよりも、「今のエンジンのまま、どれだけ高い出力を維持できるか(LTの向上)」です。
| 項目 | ハード系($VO_{2}\text{max}$) | 緩め系(LT/閾値) |
|---|---|---|
| 強度 | 最大心拍の95%以上 | 最大心拍の85〜90% |
| 感覚 | 限界に近い「ゼーゼー」 | きついが維持できる「ハーハー」 |
| 主な効果 | エンジンを大きくする | 燃費と巡航速度を上げる |
| 回復日数 | 2〜3日(ダメージ大) | 翌日ジョグ可能 |
| 故障リスク | 高め | 低め |
60代のサブ4戦略には「閾値系」が合理的な理由
サブ4に必要なのは、キロ5分41秒を42.195km維持する力です。これはスピード自慢になることではなく、「乳酸が溜まり始めるギリギリのペースを長時間維持する能力」を磨くことに他なりません。
$VO_{2}\text{max}$ は加齢とともに低下しやすい項目ですが、LT はトレーニングによって60代からでも十分に引き上げることが可能です。また、身体への負担が少ないため、週1〜2回のルーティンとして無理なく組み込めます。
何より大切なのは継続性です。ハードすぎる練習は疲労を溜め込み、他の日の練習を台無しにするリスクがありますが、緩めインターバルなら全体の練習ボリュームを落とさずに質の高い刺激を入れられます。
深北緑地1周(700m)を使った実践例
私のホームコースである「深北緑地」には、1周ちょうど700mのコースがあります。今回は以下のようなメニューで走りました。
- ウォームアップ: 2〜3km ジョグ
- メイン:700m × 3本(キロ5:00〜5:10目安)
* ※慣れてきたら5本に増やす予定 - リカバリー: 350m(半周)をゆっくりジョグで繋ぐ
- クールダウン: 1km ジョグ
サブ4を目指すなら、閾値の目安はキロ5:00〜5:10程度。「きついけれど会話がなんとか成立する」くらいの感覚です。700mを3分30秒で走ればちょうどキロ5分ペース。コース1周のタイムがそのまま指標になるので、管理が非常に楽です。
なぜ「700m」なのか?
400mだと短すぎてスピード練習($VO_{2}\text{max}$系)になりやすく、1000mだと後半にフォームが崩れがちです。700mは、正しいフォームと閾値強度を維持したまま走りきれる「絶妙な距離」だと感じています。
ペースを「揃える」ことが最大の課題
この練習で最も重要なのは、1本目から最後まで「同じペースで揃えること」です。
例えば1本目が5分00秒なのに、3本目が4分30秒まで上がってしまうのは、閾値トレーニングとしては「出し切りすぎ」のサイン。
「全本を通して余裕を持って終われる」ペースを基準に設定し、3本目が速くなりすぎないようにペース維持を心がけましょう。
今後のロードマップ
焦らず以下のステップで進めていく予定です。
- ステップ1: まずは3本。全本を同じペースで揃える。
- ステップ2: ペースを維持したまま、4本、5本と本数を増やす。
- ステップ3: 5本が「余裕」と感じられるようになったら、少しだけ設定ペースを上げる。
- ステップ4: 2周(1400m)× 3本など、より「閾値走」に近い形へ移行する。
まとめ
60代のランニングライフに、無理な追い込みは禁物です。公園1周を活用した「緩めインターバル」は、故障リスクを抑えながら、着実にサブ4への土台を作れる合理的な練習法といえます。
「いかに速く走るか」よりも「いかに狙ったペースをコントロールするか」。
この積み重ねが、マラソン当日の42kmを支える自信に繋がると信じています。